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【鼻の描き方】鼻をうまく描くためのポイントと描き進め方を順番に解説します!

こんにちは。管理人の河内です。

今回は『顔のパーツシリーズ第3弾』ということで「鼻の描き方」について解説してみたいと思います。
鼻はまさに顔の中心。
これを基準に左右の目や口の位置なども決まっているといっても過言ではありません。
そういう意味で鼻が決まらないと他も決まらないという重要な役割を果たす「鼻」ですが、イラストやカワイイ系のマンガなどでは省略されたりすることも多いのはなぜでしょうか?
おそらくそれは鼻を描いてしまうと存在感が強いだけに妙にリアルになりすぎて、シンプルに可愛さがなくなってしまうからかもしれません。
逆にそれが鼻の重要性の裏返しと言えるのですが。

ではこの存在感の大きい鼻を描くには一体どのようにとらえ描いていけば良いのでしょうか?解説して生きたと思います。

目次

鼻の描き方 ポイント① 鼻の構造

それでは鼻についてもまずは構造から見ていきましょう。
鼻は中心的パーツではありますが、ありがたいことに目や口といったほかのパーツに比べ表情による形体の動きや変化ほとんどありません。
立体としてもとてもシンプルな構造をしていますので、これまで解説してきたような目や口と比べると簡単に感じてしまいます。

この図のように鼻はざっくりいうと台形を立体にしたような形状をしています。
まずこれを基本形体としてしっかりと頭でイメージしておくことが大切です。

鼻を描いていくには、この立体に対して光りがどちらから当たっているのか、そしてどちらが影になるのかを意識しておく必要があります。

鼻の描き方 ポイント② 鼻の向き

鼻を描くにあたって、その形状がシンプルなだけにより向きが重要になってきます。
鼻の向きは顔の向きそのものと連動し、上述したようにそれ自身が大きく変化することはありません。
なので鼻さえ見れば顔全体がどちらの方向を見ているかがわかります。

 

鼻の描き方③ 性別、年齢、人種による形状の違い

このように鼻はほかのパーツに比べて動きが少ない分簡単だと描きましたが、実は人種や年齢、そして性別による形状の違いが最も大きいのは鼻かもしれません。

西洋人の場合は眼窩(眼球の収まる頭蓋骨のくぼみ)が低く鼻と目の位置が離れているので鼻そのものが高く大きいですが、私たち東洋人は眼窩がそれほど引っ込んでおらず頬骨も高いため鼻が低いのが特徴です。

また子供は年齢が低いほど鼻筋(鼻梁)が見えず丸くなり、女性より男性の方が面がはっきりしてゴツゴツした印象が強くなります。

鼻の描き方 ポイント④三つの面、三つのパーツで考える

 

ポイント①で示したようにまずは大きな立体として鼻をとらえた後は、三つのパーツに分けて考えてみます。
これはそのまま三つの面に対応していると考えます。
つまり左右の側面と前面ですね。
前面はいわゆる鼻筋(鼻梁)に当たりますがここはこのように一本の柱としてとらえます。人によっては特に男性でしっかりとした鼻の場合は眉間の部分とここでわずかなくびれが入ります。

そして先端部=鼻尖と言いますがこれと両側の小鼻(鼻翼)はそれぞれひとつの丸い立体ととらえることができます。

鼻の描き方 ポイント⑤ 小鼻は側面

 

これは当然と思われそうですが、案外実際に鼻を描いてみると小鼻を前面の一部として描いてしまう方が多いのです。
それは陰影をつけるときにどうとらえているかで分かります。
つまり小鼻自体も丸みを帯びた立体なので上部は明るく見えるためなのですが、ここを明るくしすぎて鼻尖の前面とつながって見えてしまうのです。

こうすると鼻の高さが出ず、潰れたたような鼻になるので注意が必要です

明るく見えても側面であることをしっかり意識して一段暗くするようにしましょう。

 

鼻の描き方 ポイント⑥ 実践に描いてみる

ではここまで解説してきたことを踏まえて実際に描いてみましょう。
描く前に、顔全体がどちらを向いているか?光はどちらから当たっているか確認しましたか?

①鼻を大きな一つの立体、かたまりとしてとらえます。
細部は無視して直線で描いてみましょう。
このように描くことで一つの塊、そして面の方向が分かりやすく出ます。

 

②次にそれぞれの直線の中で、大きく変化している場所を描きます。
①の上から大きく曲がったところを角をカットする感じで。
角を取っていくと曲線を使わなくても丸みが出てきます。

こんなイメージですね。

 

③大きな明暗をつけていきましょう。
鉛筆を寝かせて側面と下を向いた面に大雑把にトーンを入れていきます。
少し立体感が出てきますね。
この時前面にはまだトーンを入れず明るいまま。
側面より下を向いた面を少し暗くします。

 

④大きく面が変わる境目を“稜線”と言いますが、この稜線を強調します。
すると一気に形体感が強く出て立体的になります。
この作業でここまで稜線は直線でカクカクしすぎているのである程度ぼんやりと柔らかく察せる効果もあります。

ここまでくるともうほぼ鼻になりますね。

 

⑤ここからはひたすら描き込みです。
細部にこだわって描いていきますが、これは絵のサイズや描く方のこだわりにもよりますのでどこまで描けば良いかとは言い難いですね。

ただ目や口に比べて表情が乏しいので、描き込みと言っても陰影のグラデーションをより丁寧にしたり鼻の孔を描いたりしていくこになります。

特に白人の方の鼻は立派で凹凸もしっかりしていますので、鼻筋や眉間の表情をよく観察して描いていきましょう。
あと目鼻の付け根と眼窩による窪みのあたりと鼻の孔のある面は下を向いているので「反射光」と言って下からの照り返しがあるので少し明るくなるということも抑えておきましょう。

この部分が少し明るくなる。

鼻の描き方 ポイント まとめ

いかがでしたか?
鼻は顔のほぼ中央正中線を通り、立体としてもシンプルなだけにとても存在感のあるパーツでした。
顔全体を描く上での目や口の位置関係を見る基準ともなる重要な文字通りセンターです。

鼻それ自体が大きく動くことはありませんが、人種や性別年齢によって形状が大きく異なることも鼻を描く上で必ず押さえて意識しておきたいポイントでしたね。

なので描くときはしっかりとそのあたりの違いを意識して形状を覚えるように練習してみてください。

鼻のほかにも目・口について詳しく解説した記事がありますのでそちらも合わせてご覧ください。

・【口の描き方】① デッサンで口を描く前に抑えておきたいポイントを解説!
・【口の描き方】② デッサンで口を描く前に抑えておきたいポイントを解説!
・【目の描き方】① 人物の目を上手に描くために抑えておきたいポイントを解説!
・【目の描き方】② 人物の目を上手に描くために抑えておきたいポイントを解説!

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