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【レオナルド・ダ・ヴィンチの技法】その技法の謎に迫る!

こんにちは。管理人の河内です。

今回は謎の多い画家としても知られるレオナルド・ダ・ヴィンチの技法についてご紹介してみたいと思います。

この“万能の天才”は完全主義者としても知られています。

その妥協なき制作スタイルと緻密な研究においても随一でした。

独創的なアイデアに溢れ、その興味の範囲は絵画にとどまらずまさに神羅万象様々なことに興味を持ち徹底した研究と試行錯誤を試みました。

その反面失敗も多く、完全主義者ゆえに途中で放棄されたり彼が残した作品は傷みや劣化が激しいものも多くあります。

というか成功例の方が少ないくらいです(^^;

この記事ではそんな天才が編み出したり取り得れた代表的な技法をご紹介したいと思います。。

ダ・ヴィンチの技法① スフマート(Sfmato)

スフマートとは?

聞きなれない言葉ですよね。

これはイタリア語の「煙」を意味するfumoという言葉から派生した語で、「くすんだ」とか「薄れる」という意味です。

レオナルド・ダ・ヴィンチが発明した技法で、簡単に言うと「ぼかし技法」のことです。

レオナルドは当時主流であった輪郭線をはっきりと描くことをしませんでした。

自然界に線なんてない!と主張したレオナルドは、なめらかな女性の肌や衣服の流れるようなしわなどを表現するために、輪郭線を描くことなしに陰影の移り変わりだけでものを表現しようとしたのです。

では実際にどうやってやるのでしょう?

それは描画用オイルで絵具を薄く解き、下の絵具が透けて見えるように薄く塗る(かける)のです。

それを何層も何層も乾かしてはかけ、乾かしてはかけすると、独特のつやと深みが生まれます。

そうして色と色の境目が見えなくなり、柔らかで自然なグラデーションが出来るのです。

オイルは乾くのに時間がかかりますから、レオナルドが制作に時間がかかった理由の一つがこのスフマートをやっていたからなのです。

 

また最初の絵具が乾かないうちに、別の絵具を塗り足し、キャンバスの上で混ぜ合わせるという方法も使っています。

それは乾燥の遅い油絵ならではの技法で、それまで絵画技法の主流であったテンペラ画(テンペラ技法)や壁画で使うフレスコ画は、画面に絵具が染み込むため、乾燥が早く、先に塗った絵の具と後から塗った絵具は混ざることはありません。

しかし油絵は油が乾くまで時間がかかり、その間上から加筆した絵具と画面上で混ぜ合わせることが可能なのです。

完璧主義者のレオナルドは、じっくりと時間をかけて熟考し、なんどもなんども手を入れるため、こうした手法が彼の制作スタイルにも適していたともいえます。

これら独自の技法により、それまではなかった微妙な陰影、深みのある色合いが生まれ、レオナルド絵画独特のリアリティがうまれました。

 

ダ・ヴィンチの技法② 北方ルネサンスの影響

空気遠近法

空気遠近法とは?

湿気の多い日本では景色を眺めると、自然に遠くのものは霞んで見えますよね。

これは空気中の水蒸気が乱反射して起こる現象で、日本では水墨画など当たり前のように遠くのものは薄くぼんやりと描くことで遠近感を表現してきました。

でも逆に乾燥した地中海性気候のイタリアなどでは割と遠くのものまでクリアに見えます。

そしてそれを素直に描くとどうしても遠近感が出にくいのです。

カメラでいうと、遠くまでくっきりとピントが合った写真より、背景がぼやけた写真の方が立体的で遠近感があるように感じられますよね。

 

レオナルドはより雄大で深遠な奥行きをだすために、北方フランドル地方(現在のベルギー、オランダあたり)で生まれた技法、空気遠近法を取り入れました。

すなわち、遠くのものを少しぼやかして描き、色も遠くのものほど青味化かって描くことで遠くにあるように感じさせるのです。

これによってメインの人物だけでなく、背景に奥行きを持って表現することに成功したのです。

 

当時はまだ自然は描くべき対象ではなく、あくまで人物の添え物程度にしか扱われていなかった時代でしたが、レオナルドはこの脇役の背景を、表情豊でリアルな自然として表現することに成功したのです。

4分の3構図

また北方のもう一つの影響として、4分の3斜め前から描く構図があります。

こんな感じです。

イタリアでは肖像画は正面や真横から描かれることが多かったのですが、これによってよりモデルが自然にその場にいるような臨場感を出せるようになりました。

レオナルドは自身の独創的な研究だけでなく、他の国の技法も勉強していたんですね。

 

ダ・ヴィンチの技法③ アトリビュート

アトリビュートとは、「象徴的持物」と訳されています。

画中に描かれた人物が、誰であるかを特定するためのお約束のアイテムのことを言います。

これはレオナルドに限ったことではないのですが、中世以来西洋美術に伝わる伝統なので是非知っておかれると美術館などで鑑賞されるときに役立つと思います。

 

例えば「マグダラのマリア」であれば香油の壺、「洗礼者ヨハネ」であれば細長い十字架に羊の衣をまとっている、「聖母マリア」は赤と青の衣、白百合の花などが描き込まれていて、それが描いてあれば、「マリア様だ」と分かる仕掛けです。

また、アトリビュートはものだけでなく「色」にも意味を持たせています。

「聖母マリア」の衣服では、ガウンの青は信仰を象徴し、赤い衣の赤は慈愛を、白い百合の花の白は、純潔を表すといった具合です。

この女性は香油壺を持っているので「マグダラのマリア」神様の啓示にうっとりした表情で描かれることが多い。

こちらは「洗礼者ヨハネ」まさにキリストに洗礼を授けているところです。

 

中世以来、西洋では絵画は文字の読めない一般の人々に、聖書の話を理解させるという役割を担っていました。

そしていろんな画家が教会の発注で様々なモデルを使って描くのでこうした決まりごとが必要だったのです。

 

レオナルドも当然このアトリビュートを使って作品を描きました。

しかしレオナルドの「岩窟の聖母」では、聖母マリアの衣装は青と黄色で描かれ、幼子のイエスと洗礼者ヨハネはどちらにもそのアトリビュートがなく、どちらがイエスでヨハネか判別がつきません。(この絵に関しては、一応聖母マリアが優しく手を差し伸べ、また天使が指差している左側がイエスというのが説得力がありますが真相は解明されていません)

レオナルドは何か理由があってそれまでの伝統を無視して描いたんでしょうね。

 

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