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【デッサンの基本】デッサンするときは目を細めろ!

こんにちは、管理人の河内です。

このカテゴリーでは今まで油絵の道具についていろいろとご紹介してきましたが、そろそろ描き方や技法についても少しずつ書いていこうかと思っております。

今回はその第一回目ということで、すべての基本となる“デッサン”についてお話してみようと思います。

ですがやはりデッサンについてもすでにいろんな本やサイトで書かれておりますので、このブログではよりニッチで具体的なアドバイスが出来ればと考えております。

そこでまず初めにご紹介したいのがタイトルにもありますように『デッサンの基本は目を細めろ!』ということをキーワードに書いてみたいと思います。

デッサンて何?

ではまずそのデッサンとは何か?ということに簡単に触れておきましょう。

絵を描く上で『デッサンが基本だ!』とはよく言われることです。
管理人の絵画教室でも初心者の方にはまず初めに鉛筆デッサンから始めていただいています。

”デッサン”とはざっくり言うと、鉛筆や木炭などを使って紙に白黒(モノトーン)で描くこと、または描かれた作品をいいます。

もともとは本制作のための、前段階に作られる習作であったりイメージをまとめるものとして描かれたものをいいました。

『デッサン』という言葉はフランス語で、英語ではデザインと同じ意味になることからもそれが分かります。

そのためデッサン作品はもともと人前に出すものではなく、設計図的なものとして描かれていたものなのです。

現代ではデッサンそれ自体を自律した作品としてとらえ発表するアーティストも多くいますが、そもそもはそうしたものであり特に18世紀になってからは、アカデミックな絵画制作のための訓練として重視されるようになりました。

デッサンと聞いて思い浮かべるものに『石膏デッサン』があります。
皆さんも高校の美術室には必ず人の頭部や半身の石膏像があったと思います。

それらの多くは古代ギリシャ・ローマ時代に作られた古典彫刻から型を取って作られたものなのですが、こうした古典彫刻は西洋ではひとつの完成された美の典型とされていて、それらを手本として美術を学ぶ伝統があります。

古代ギリシャの傑作彫刻『ラオコーン』を描いたデッサン

古典彫刻を石膏でコピーしたものをデッサンで描くというのは19世紀の新古典主義の大家ドミニック・アングルが、国立美術学校の教授時代に発案したと言われていますが、近代にそうした教育法を輸入した日本でもそれが定着しました。

ドミニク・アングルについてはこちらの記事をご覧ください。 ⇒『新古典主義の巨匠』ドミニク・アングルの生涯と作品をご紹介します。

 

ですから現代の美術学生は、学校で必ずこの“石膏デッサン”をさせられます。

学生は石膏デッサンを通して石膏像のもつ理想的なプロポーションや構造、量感、空間性といった造形表現の基礎を学んでいくのです。

しかし石膏というモチーフは優れた題材ではありますが、一般の趣味として描いている方や、初心者の方にはかなりハードルが高い(難しい)のも事実です。

ですから管理人の教室では石膏デッサンは希望者のみしていただいています。

初めはリンゴやコップのような単純で基礎的なものをデッサンし、徐々に難しいモチーフに移っていくのがオーソドックスで無理のない絵の学び方といえるでしょう。

デッサンで何を学ぶか?

では実際にデッサンで私たちはいったい何を学ぶのでしょうか?

基礎、基礎といってもその中にはたくさんの意味が含まれていて、何を重要視するかは教える先生によって、また学ぶ方のレベルによっても変わるところがあると思います。

そこで管理人なりに初心者の方が学ぶべき、とくに重要とおもわれるものを4つをあげてみました。

①形を正確にとる。
②対象を大掴みにとらえる。
③トーン(白黒のグラデーション)で立体感を表現する。
④空間を表現する。

この他にも細かいことや難しいこともありますが、とりあえずこの4つに絞ってひとつずつ解説してみたいと思います。

①についてはそのままです。
まずは何を描くにしてもその形が描けなければ始まりませんよね。
目に見える形を客観的にとらえる第一歩としてかたちをとらえる練習が必要です。

②は、とかく初心者の方は細かいところに目が行きすぎて近視眼的になりがちです。
個別にモノを見過ぎて、モチーフ全体を見られなくなってしまうのです。

しかし絵を描く上では個別のものに固執せず全体のバランスをとることはとても重要です。
作品を一つの世界として作るためには、パズルのように細かいピースをつなぎ合わせて全体をつくるのではなく、全体を全体として大まかに把握する力が必要になります。

そうした目と感覚をデッサンで鍛える、もっというと細かいところに気をとらわれず全体感や雰囲気をとらえる練習をしましょうと言ことです。

③は色を使わないデッサンでは明暗表現、つまり光から影への移り変わりをトーン(明暗の階調)で表現し、立体感や奥行きを表現することを学びます。

④の空間を表現するというのは、それぞれの位置関係や奥行きという3次元を紙という平面(2次元)上にどうすれば感じさせることが出来るかということだけでなく、画面全体の構成までを含んでいます。

今回のタイトルである「目を細めろ!」というのは下の②~④に関わってくるお話です。石膏デッサンでは特にこのことを重視し、その能力を養うために行う課程だと考えていただければと思います。

目を細めるとどうなる?

実際に目を細めるとどうなるでしょうか?
やってみていただければすぐにわかると思いますが見ている対象がぼやけて来ますよね。
視力が悪い方は眼鏡をはずして見るのも同じことです。

例えばこの石膏像を描こうとしたとします。


描くためには一生懸命対象を見なければなりません。
しかし人の目は、しっかり見ようとすればするほどその視界の範囲を狭めてしまいます。

顔を描こうとしているのに目だけ、鼻だけという風に小さな単位にズームアップしてしまうのです。
じっと目を見ていると二重まぶただとかまつ毛、鼻の孔だとかさらに小さな単位に入っていくのです。

そうしたときあなたの頭の中にはもう顔全体のイメージはありません。
部分だけがしっかりと見えていて、他との関係やバランスは見えなくなってしまうのです。
いわゆる“木を見て森を見ず”というやつです。

人間の脳は全体と部分を同時に捉えることが出来ません。
どちらかに意識を傾ければどちらかは見えなくなってしまうのです。

そして私たちの脳は対象をよく見ようとすればするほど小さな単位に収束していくようになっているのです。

しかしそれでは部分をつなぎ合わせて全体を描いていくことになります。

“福笑い”を思い出していただければ分かりやすいと思いますが、どれだけパーツがちゃんとしていても全体のバランスが悪ければ顔として成立しませんよね。

そこで目を細め、あえて細部を見えなくすることで大きな印象が掴めるという訳です。

まずは細かいところに意識を向けず、全体の雰囲気、大きな形体と明暗、その流れをつかむことを意識します。

初めはすべてがぼんやりしているので、何をどう描いたら良いか分からないと思います。

なので初めはしっかり目を開いて対象を見る、そして時々目を細めて全体のバランスや雰囲気を見る、そしてまたしっかり見る。

これを何度も繰り返してみてください。

慣れてくればぼんやりしたまま描けるようになってきますが、初めは目のピントを意識的に絞ったり開放したりという感じで見る癖をつけてください。

そうすることで絵全体のバランスが見られるようになってきます。

 

今回はここまで。その②に続きます。

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