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【基礎デッサン・ガラスってどう描くの?】ガラス瓶の描き方

こんにちは。管理人の河内です。

今回はデッサンの実践編としてガラスの描き方をご紹介してみたいと思います。

透明グラスやガラス瓶は、これまでの管理人の経験からす意外と描いてみたい、上手く描けるようになりたいものの上位に入るモチーフのようです。

特に初心者や独学者の方にはガラスのもつ“透明感”が魅力のようでアレが表現出来たらうれしいという方は多いようですね。

どんなことでもそうですが、知らないうちは難しそう、どうやって描けばよいか見当もつかないと思われると思いますが、いくつかのポイントを押さえていけばそれほど難しいことはありません。
練習法などもご紹介していきますのでどうぞご覧ください。

目次

ガラスの描き方 ポイント①

 

ガラスの魅力は何と言ってもあの透明感、透けた感じですよね。

この透明感をどうやったら出せるのか?まずは直球でそこから解説していきたいと思います。

そもそも“透明”とはどういうことかを考えてみましょう。
そう、読んで字のごとく透けているということですね。それはイコールもの(ガラス)を通して見えないはずを向こう側が見えるということです。

なので答えは『ガラス越しの向こうに見えているものを描く』ことが透明感を感じさせるということになります。

こうして言葉で描くとあっけない話ですが、“透明感”という抽象的なものは描けません。
どうして僕たちがそれを透明と感じるかを突き詰めれば単純に向こうが見えているからというだけの話なので、その向こうを描いちゃえばいいわけです。

下のイラストのように単純化してみると一目瞭然。


二つ並んだ同じ形状のコップ。
違いは後ろを通る一本の線が、左はコップの中を通過し、右はコップの後ろだけ隠れています。

これだけの違いで左は透明なコップ、右は不透明なコップと私たちには認識できるわけです。

 

ガラスの描き方 ポイント②

しかし無色のガラスであっても空気のようにまるで何もないわけではありません。

ガラスには厚みがあり、それによって光が屈折して向こう側が歪んでみえることあります。
第2のポイントはこのゆがみを捕まえるところにあります。

ガラスは薄いと屈折が少なく直に見えるのとあまり変わりませんが、逆に厚くなると屈折率が大きくなってものが大きく歪んで見えます。

特に形の端(コップでいうと先端の口の部分や底の部分)は、ガラスがぶ厚かったり、二重に重なったりしてより屈折率が大きくなるため乱反射が起こります。
こうしたところは描き込みの重要なポイントになりますのでしっかり観察して見てください。

さらに直接見えているものと歪んで見えるものを対比して描いてあげることで、よりガラスの質感を強く感じさせることが出来ます。

 

ガラスの描き方 ポイント③

そして三つめは“ガラスの反射を描く”ということです。

ガラスはよく見ると向こう側が透けて見えるだけでなく、表面に様々なものが写り込んでいます。
これもガラスの大きな特徴ですので外せません。
ただこれはガラスが透明か色の付いたガラスかで見え方は変わってきます。

透明度が高いほど反射は薄くて見えにくく、逆に色の着いたガラスなど透明度が低いほど表面の反射(映り込み)が強く出ます。

それは同時に向こう側の見え方と反比例します。
表面の映り込みはっきり見えるほど向こう側は見えづらくなるのです。

 

この表面の映り込みをどこまで克明に描くかは決まっていませんが、最初はとりあえず見えたものは全部描く!というくらいで描いてみましょう。

経験の浅い方は、とりあえず端から面倒がらずに描いたうえで取捨選択を行った方が、「どこまで描けばいいの?」と悩みながら描くよりご自分で答えが見つけやすいのです。

一通り描いた後で、「描き過ぎたな~」と感じ、うるさければティッシュやサッピツで擦って馴染ませたり、練り消しゴムで薄くしたりして最終的にどれくらい見せるかを調整していきましょう。

透明度の高いガラスの場合は、映り込みより透けて見える向こう側の方が鮮明に見えます。その場合は奥に透けて見えるものをしっかりと描くことになりますが、ガラス越しに見えたものと直に見えたものをどう違えて描くがポイントになります。

その違いを出すために一つはゆがみ、もう一つはトーンの明暗を変えて描きます。
ゆがみはガラスの端の方で大きくなり、真ん中あたりはそれほどゆがみません。
調子(トーン)はガラス越しに見た場合、濃い色のものは少し薄く、逆に明るい(薄い)色のものは一段濃く(暗く)描くとよいでしょう。

ガラスの描き方 ポイント④

 

4つ目のポイントは、“メリハリ”と“エッジのシャープ”さです。

この二つがないと、硬質で冷たいガラスの質感は感じさせることが出来ません。

メリハリとは極端な明暗の落差のことです。

ガラスの特徴であるキラッと光る光の反射があれば、それだけでガラスの硬質な感じを耐えてくれます。それは白と黒の強いコントラストによって感じさせることが出来ます。
なので実際見えている以上にコントラストを付けます。
油絵と違ってデッサンでは紙の白より白くはなりませんので、暗い色をいかに強く白の隣に着けるかで白(ハイライト)を印象付けることができます。

この図のように、真ん中は同じ白でも近く極端な暗い色が来ることで、光って見えます。

さらにガラスの持つ切れそうな硬質な感じはトーンの変化するキワ、形の終わり(エッジ)をシャープに描くことで表現します。

その時は鉛筆の先をしっかり尖らせ、立てて描くということと、練消しゴムをうまく使うことでシャープなエッジを描くことが出来ます。

 

 

今回はここまで。
次回は実際の制作過程を見ながら、順を追って具体的に解説していきますのでそちらもご覧ください。

 

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