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【エコール・ド・パリの画家】モディリアーニの代表作を解説します!

こんにちは。管理人の河内です。

今回は《エコール・ド・パリ》の画家アメデオ・モディリアーニの作品を解説していきたいと思います。

モディリアーニと言えば細く伸ばされた顔や体が特徴で、身近な人の肖像画や裸婦が有名ですね。モディリアーニは35歳という若さで亡くなったため作品数もそれほど多くはないのですが、そのほとんどが人物の肖像画と裸婦でした。

描かれた人物はみなモディリアーニ的にある種、様式化されているのに、その個人個人の性格が生き生きと伝わる不思議な画風です。

どことなく哀愁漂う瞳のない眼もモディリアーニならではで、技法的には特に新しいことをしたわけではないのに唯一無二の画家というところに管理人は惹かれます。

※注)所蔵先については管理人が調べた時点でのものです。モディリアーニの作品は個人所有が多く、近年もオークションに出されることも多いため変わる場合がありますのでご了承ください。

モディリアーニの代表作①『アマゾン(乗馬服を着た婦人)』

1909年 92.0×65.0㎝ 個人蔵
モディリアーニの友人の某男爵の夫人を描いた作品です。彼女は名高い乗馬の名手でした。本来赤いジャケットを着ていましたが、モディリアーニが黄色く描き替えたため、完成後受け取りを拒否されました。
この作品を描いたころのモディリアーニは、まだパリに出て3年、若い芸術家が集まるモンマルトルに住みフォーヴィズムやキュビズムと言った最先端の前衛芸術に触れながらもそれらとは一線を画していました。
特にロートレックセザンヌから影響を受け、それらを消化しつつ懸命に独自の表現を探していた時期の作品ですが、すでにモデルのプライドの高さや傲慢な性格が、そのポーズと表情によってとらえられています。

 

モディリアーニの代表作②『 ポール・ギョ―ムの肖像』

1915年 75×105㎝ オランジュリー美術館蔵
ポール・ギョームとモディリアーニは1914年マックス・ジャコブの紹介で知り合いました。この若い画商は当時23歳でしたがモディリアーニの才能をいち早く見抜き擁護者となりました。
彼はモディリアーニのためにラヴィニャン街の「洗濯船」にアトリエを借りてあげたり作品をいくつも購入したりして支援しました。
こうしたギョ―ムの援助に対してモディリアーニは肖像の背景にラテン語で「新しい水先案内」「海の導きの星」とギョームへの賞賛の言葉を描き込んでいます。

モディリアーニはギョ―ムの肖像画を数点描いていて、ここに描かれたポール・ギョ―ムは自身たっぷりな表情です。黒いスーツにネクタイを締め、皮の手袋をはめた手に煙草を持ち、口を尖らし煙を吐いているのでしょうか、ダンディに決めた姿で描かれています。

 

モディリアーニの代表作③『 新郎と新婦』

1916年 55×46.5㎝ ニューヨーク 近代美術館蔵

モディリアーニ描く肖像画はそのほとんどが単身像ですが、今作と《ジャック・リプシッツ夫妻》は例外的に二人の人物が描かれています。
こちらのモデルは誰であるかは明らかになっていませんが身なりからいわゆるブルジョア階級の夫婦のようです。しかしその表情からは横柄で性格の悪さが感じられモディリアーニが気取った二人をからかっているかのようです。背景の幾何学的な構成や顔に入った直線などはキュビズムの影響が見られます。

 

モディリアーニの代表作④『ジャック・リプシッツ夫妻の肖像 』

1916-17年 80×53.3㎝  アート・インスティテュート・オブ・シカゴ蔵
ジャック・リプシッツはリトアニア出身の野心的で優れた彫刻家でキュビズム的な彫刻で知られています。
1916年にリプシッツがこの新妻との肖像画をモディリアーニに依頼したとき、彼はこう言いました。「値段は一回のポーズに10フランとアルコール少々」モデルに慣れるためにモディリアーニは多くのデッサンをしたあと下塗りをした古いキャンバスにこの絵を描きました。
モディリアーニはすさまじい集中力でその日の日暮れまでには完成させてしまいます。
リプシッツはモディリアーニをもっと援助したかったので「もう少し中身を濃く」描くように頼みました。これに対してモディリアーニは「絵をダメにしたいのなら続けよう」と答えます。結局モディリアーニはこの絵に2週間費やしたそうです。

モディリアーニが死んだときに彼のデスマスクを取ったのがこのリプシッツでした。

 

モディリアーニの代表作⑤『大きな裸婦』

1917年 72.4×116.5㎝ ニューヨーク近代美術館蔵
モデルの自制は眼を閉じて眠っているのでしょうか。
上半身は仰向けで、腰から下は横向きであるため体を大きくねじっているはずですが、この絵ではその動きが感じられず平面的に処理されているためか、他の裸婦とは違ってある種の静謐さが感じられる作品です。
他の裸婦は自信に満ちた表情で官能性が強調され、こちらに迫ってくる威圧感のようなところがモディリアーニの裸婦の特徴ですが、この作品はこちらがすっと引き込まれるような印象を受けます。

背景は粗いタッチで強い赤と黒の色調で塗られて動的なイメージで描かれ、明るく柔らかい色調で静かに横たわる裸婦と対比させより強調しています。

 

モディリアーニの代表作⑥『青い服の少女』

1918年 個人蔵
この作品を描いたのは、出産を控えたジャンヌと共に、戦火のパリを避けて訪れた南仏滞在時期です。そこでモディリアーニはこの作品をはじめ『小さな農婦』など土地の子供たちをたくさん描いています。
南仏の穏やかな気候のせいでしょうか、またはもうじき父となるからでしょうか、モディリアーニ愛情が伝わるような優しい印象の作品です。
行儀よくポーズをとり少しはにかみ気味の少女。薄い青の瞳と赤らんだ頬が印象的です。淡いブルーの目や衣服と背景が、補色のオレンジ色をした顔と手をより一層鮮やかに印象付けています。また背景の幾何学的で浅く歪んだ空間はセザンヌの影響と思われます。

 

モディリアーニの代表作⑦『 赤い裸婦』

1917-18年 59.5×92㎝ ジャンニ・マッティオーリ・コレクション蔵
モディリアーニのも最もよく知られる裸体画と言える作品です。
2015年のニューヨーク・クリスティーズという世界的オークションで1億7000万ドルという高額で落札され話題となりました。
横たわる裸婦像はルネサンス以降幾度も描かれてきた鉄板の主題です。
イタリア人のモディリアーニもまたその伝統を守る素晴らしい後継者であることを如実に示す作品です。
しっかりとした輪郭線に囲われた肉感的な女性の肌は、背景の赤によって一層強調されこちらに迫ってくるようで、明らかに肖像画にはない肉体的な迫力が伝わってきます。

 

モディリアーニの代表作⑧『 小さな農婦』

1918年 100×65㎝ ロンドン テイト蔵
この作品も1918年南仏滞在中に描かれたものです。
この滞在でも生活は最低でしたが温暖な南仏の明るい陽射しで体力が回復し、仲間との社交や娘の出産などモディリアーニの生涯でも最も平穏な日々が続きました。
そうして絵も確実に変わったようです。モデルは土地の少年。
モディリアーニを内側から蝕んできた肉体的精神的病や切迫する戦争の影は少しも感じさせず、明るく透き通った色調と少し斜めに傾いた構図はセザンヌを思わせ、新しいステップに入ったことを感じさせます。

 

モディリアーニの代表作⑨『 安楽椅子の上の裸婦』

1918年 100×65㎝ 個人蔵
モディリアーニの住居兼アトリエで描かれたこれら裸婦の連作は、友人たちを描いた肖像画とは逆にプロのモデルを雇って描かれました。
モデル料は、もちろん金のないモディリアーニではなく画商のズボロフスキーが支払っていました。
左の胸を少し出し、腰をよじるエロティックな裸婦はモディリアーニの裸婦の典型的なものです。
裸婦が正面を向いたモニュメンタルな構図で頭と足をバッサリと切る構図は、通常ありえないのですがそうすることで一層体の捻じれが強調され画面の動きが増してしていると言えます。

 

モディリアーニの代表作⑩『子供とジプシー女 』

1919年 115.9×73㎝ワシントン ナショナルギャラリー蔵
モディリアーニが南仏滞在中に描いた作品です。
南仏でもパリ同様モディリアーニは周囲の人間たちをモデルに描いていました。
暖色と寒色、母親のシャツの白と赤ん坊をくるむ布の黒の対比が鮮やかです。
瞳を描かないモディリアーニのスタイルでは珍しく、今作では瞳とそこに写る光まで描かれているためとてもやさしい表情をしています。

 

モディリアーニの代表作⑪『おさげ髪の少女 』

1918年 名古屋市美術館蔵
1985年、まだ開館準備中だった名古屋市美術館が、オークションに出た今作を当時の国公立美術館としては最高額の3億6千万円で落札した作品です。
この作品も南仏滞在中に描かれたもので土地の少女という以外は名前も分かっていません。
いわゆるモディリアーニスタイルで描かれた肖像画ですが、珍しく少し開けた口からは白い歯がこぼれ少し微笑んでいる感じがします。

 

モディリアーニの代表作⑫『赤い肩掛けを着たジャンヌ・エピュテルヌ』

1917年 129.5×81.6㎝ 個人蔵

モディリアーニは妻のジャンヌの肖像画を30枚ほど描いていますが、今作が最後に描かれたものです。モディリアーニの洗練されたスタイルが顕著に表れています。
ジャンヌの体は全体として蛇行し、顔は蒼白く無表情で瞳のない水色の目は虚ろです。
全体はデフォルメされながらも、第二子を妊娠中のお腹がふっくらとしているのが分かります。

16世紀マニエリスム期の絵画にみられる前進を細長く伸ばし、くねる様な動きによって優雅さと同時に不安を与えています。
マニエリスム美術の代表的画家パルミジャニーノの作品(↓)

いかがでしたか?男前で悲劇の人生を歩んだモディリアーニ。

そのドラマティックな生涯ゆえに作品と共に現在でも世界中で愛されていますのでこれまでに2度も映画化されています。

ご興味を持たれた方はDVDも出ていますので、是非チェックしてみて下さいね。よりモディリアーニが身近に感じられるかもしれませんよ(#^.^#)

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【モディリアーニに関するその他のお勧め記事】

・《エコール・ド・パリ 悲劇の画家》アメデオ・モディリアーニの作風と生涯をご紹介します!

・《モンパルナスの貴公子》アメデオ・モディリアーニの生涯を詳しくご紹介します!

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