こんにちは。管理人の河内です。
今回は独学者・初心者のためのデッサンの道具選びについて取り上げてみたいと思います。
絵画の基本といわれるデッサン。
絵画技法書や解説書では必ずと言っていいほど最初に取り上げられていますよね。
そしてさらにその基本の「き」として、まずどの本でもデッサンで使う道具の種類と扱い方が紹介されています。
なのでなるべく“ニッチな話題”を取り上げたいこのブログ管理人としては、あえて取り上げなくてもいいか、とも思っていました。
ですが実際よく生徒さんからはそうした技法書などを見ても結局何を買っていいか迷うばかりという声も聴きます。
管理人もそうした技法書等を時々見ることはありますが、そこには無駄にといっては失礼ですが色んな道具が紹介されていて情報が多すぎるため、独学者や初心者の方には結局どれを使えばよいのか分からないのではないか?また管理人の経験上「そんなに必要か?」という思いもしています。
そこで今回はあえて必要最小限、これだけは用意しようというものを選んでご紹介してみることにしました。
目次
デッサンに必要な道具
デッサンは紙などにモノトーンで描くこと、または描かれた作品全般を指しますが、現在一般的には鉛筆で描く《鉛筆デッサン》と木炭で描く《木炭デッサン》を指すことが多いです。
ここでは初心者の方や独学者の方には扱いやすい鉛筆デッサンがお勧めですので、こちらの道具についてご紹介していきたいと思います。
鉛筆デッサンで最低限必要な道具は次の3つです。
1.鉛筆
2.画用紙
3.練ゴム
これだけあれば、あとは技術さえあればプロと同じように描けます(#^^#)。
そして次に「あったらいいな」、「より便利だな」というものが4つ
4.サッピツ
5.プラスチック消しゴム
6.フキサチーフ
これらは実際に管理人の教室でも生徒さんに買っていただいているものです。
次に、良く解説書で紹介されているが“いらないもの”は…
計り棒、デスケルです。
デッサン道具ー結局何を買えば良いの??
では、上に上げた三つについて、鉛筆といってもメーカーや濃さがいろいろあるしどれを買えばいいの?
という声が聞こえてきそうですので具体的にご紹介していきたいと思います。
その前に一応お断りしておきたいのですが、画材というのは作者の表現法や意図、趣味などを含め、使う側との相性がかなりあります。
高価であれば良いというものではなく、ベテランやプロの方たちはいろいろ試した結果これを使っているという個々に導き出した答えですので、ここからはあくまでも管理人の独断と偏見(?)でのお勧めとなりますことをご了承ください(*^^)v
1)買うべき鉛筆
画材の基本ですので海外も含めて各メーカーそれぞれが出しています。
現在日本で買いやすく人気なのが三菱とステッドラーです。
画材屋さんに行けばほぼどこでも取り扱いがあると思います。
詳しい特徴は他に譲るとして管理人のおすすめは《三菱のユニ(uni)》です。
uniの芯の持つ粘り気と柔らかさは、デッサンに必要な明暗の諧調(トーンのグラデーション)が作りやすく黒の色も鮮やかで初心者向きといえます。
逆にステッドラーはUniに比べて硬い印象があります。
使いこなせれば硬質で透明感のあるきれいな色調が出せます。
芯の硬さは、H~4Bまでそろえれば十分でしょう。
そのうち最初に使うのはHB、B、2Bの3本。
描く課題(モチーフ)が複雑になるにつれ少しずつ色幅を増やしていきますが、それでもH~4Bまであればほとんど描き分けることができます。
時々やる気満々の新入生徒さんが5H~6Bぐらいまでずらっと揃えていらっしゃる方もおられますが、初心者には全く必要ありません。
はじめのうちは、5Hと4Hや4Bと5Bの違いを見分けられませんし、デッサンが上達するにつれて“目が肥え”て微妙な諧調が見分けられるようになりますが、そうなれば逆に鉛筆の色に頼るのではなく自分の手で描き分けられるようになります。
それよりもB一種類でたくさんの諧調(グラデーション)作れるように練習することが大切です。
2)買うべき画用紙
続いて画用紙です。
画用紙はバラで一枚ずつ売られているものと、スケッチブックとして売られているものがありますが、特にスケッチブックは鉛筆以上に各メーカー様々な種類を出していてさらに迷ってしまう画材ですよね。
画用紙にはいろいろランクがあるのでそこから見ていきたいと思います。
画用紙は一見すると皆同じように白くて分厚い紙ですが、描く画材に何を使うかで質と値段が大きく変わります。
ここでは詳しく描きませんが値段が高い画用紙は、ほぼ“水彩紙”と呼ばれる水彩画専用の紙です。
水彩紙は大量の水を使って描く水彩画の技法にも耐えられるように表面が加工されていたり、通常の画用紙より厚く強い材料が使われていたりしますが、単に鉛筆デッサンで使うならそのようなことは必要ありません。
水彩紙についてはこちら
で詳しく解説してありますのでよろしければご覧ください。⇒
【水彩紙の選び方】コスパ・レベルごとにおすすめの水彩紙をご紹介します!(前編)
もっとも一般的でお勧めなのはA画、M画と呼んでいますがサンフラワー紙です。
A画の方が若干薄く、M画はしっかりとした厚みがあります。表面には適度な凹凸(ざらつき)があって鉛筆のノリもよいです。
何枚も描くとバラバラになって保管しづらいという方は、スケッチブックで買われることをお勧めします。
3)スケッチブックを選ぶときの基準
最近では100均などでもスケッチブックや画用紙を置いてありますが、間違っても買ってはいけません。小さなお子さんの落書き程度にはなりますが、本格的なデッサンにはあまりにも・・・とりあえずちゃんとした画材店で買いましょう。
画用紙には表面の目(細かい凹凸)があり、ザラつきの強い粗目、滑らかな細め、中間の中目の3種類があります。
粗目、細目はそれぞれその特徴を生かした描き方をする人用ですので、初心者の方は中目を選びましょう。
それ以外は値段で判断します。
上述しましたように高価なものは水彩紙のスケッチブックです。
また安すぎるものは100均のようにむしろ描きづらいだけになってしまいます。
そこでおおよその値段は、標準的なF6サイズのスケッチブックで1冊20枚前後の紙が入って1,000~1,500円ぐらいの価格帯を選びましょう。
ここでは管理人の教室でも使用している3種類をご紹介しますが、これらと同じような基準を満たしていれば他のものでも問題はありません。
4)練りゴム(練り消しゴム)
最後に消し具として使う練りゴム。
いわゆる一般的なプラスチック消しゴムでは出来ない使い方ができ、消し具という以上に描く道具といってもよいほど大事なものなので必ず必要です。
ですが、鉛筆や画用紙のようにメーカーや種類にこだわる必要はありません。
お近くの画材店で扱っているものを買えばどれでも大丈夫。値段はどれも100~200円前後です。
5)それ以外の買うべき画材
基本的にデッサンは上記三つがあれば問題なく始められます。
あとは完成した作品を保護するための定着液(フィクサチーフ)と鉛筆を削るナイフ(カッター)ぐらいです。
定着液は、フキサチーフという商品名で売られていて完成した作品がこすれたり消えないように鉛筆の色を定着し作品を保護するためにかける液体のことです。現在ではスプレー式が一般的です。
もう一つ何かを足すとすれば細かい単位で表面を擦ることができる擦筆(サッピツ)でしょうか。
これはティッシュペーパーや綿棒でも代用可能ですので初めてすぐに必要というものではありません。
図り棒やデスケルなどは技法書などでは必ず紹介されていますが、正直なくて全く問題ありません。
買ってもほぼ使いません(*´з`)
「もうすでに持ってるよ」「よく使う」とおっしゃる方もいらっしゃるとは思いますが、これらの計測するための道具はおおよその”当たり”をとるために使うのであって”正確に測るものではない”(いや測れないと言い切っていいと思います)ことは覚えておいてよいと思います。
少しでも角度が変わったり、腕が曲がったりすればたちまち数センチの誤差が出てしまいます。こうしたことは人間であれば必ず起こることですし、何より「測ったから正確に違いない」という安心感(?)が生まれ、それに頼り切って冷静にものを見たり自分の感覚を信じられなくなってしまうのです。
「なんだかおかしい気がするけど、測ったから大丈夫に違いない」という風に。
そこで管理人的に便利な道具としてお勧めしたいのは、五円玉の穴に糸を通した“垂直器”(?)です。
まあそんな名前はありませんが…(;^ω^)
すぐに作れる手軽な道具ですが侮ることなかれ。これがなかなか使えるのです。
石膏像など大きなモチーフを描く場合、遠く離れた上下の位置関係や角度を確認するのにとても有効です。
離れた上下の位置関係は意外と目だけで確認すると狂いが生じやすく、錯覚してしまい易いものです。
そこで糸を垂直にたらし、上のこの部分と下のこの部分がどういう関係にあるのかを見るのです。
これであれば人間の持つ不正確さは関係なく正確な垂直線が測れます。
買うべき画材まとめ
いかがでしたか?
ここでもう一度おさらいしておきましょう。
初心者の方がデッサンを始めるにあたって初めに必ず必要なものは
1.鉛筆、2.画用紙 3.練りゴム
具体的には
1.鉛筆…三菱UNI H~4B
2.画用紙…バラならM画用紙(サンフラワー紙)、スケッチブックならF6サイズで値段が1,000~1,500円のもの。
3.練りゴム…どれでもOK。
4.定着液(フィクサチーフ)
お近くに画材店がない場合はこちらからもご購入ができます。
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