こんにちは。管理人の河内です。
歴史になを残す過去の偉人や天才たちは、みな多くの名言や格言を残しています。
イタリア・ルネサンスの巨匠にして”万能の天才”と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチもまた多くの名言を残しました。
今回はそんな天才にまつわるいろいろなエピソードを名言とともにご紹介したいと思います。
目次
人体解剖
ダ・ヴィンチは、人体表現を追求するあまり人の体内にまでその興味が深まった結果、人体解剖の場に立ち会うようになります。
当時は宗教的な意味からも人体の解剖は禁止されていたそうですが、より深く正確な人体知識を得ようとその後自身でも相当の数の人体解剖を行いました。
法を破ってでも自身の好奇心を満たそうとしたレオナルドはこんな言葉を残しています。
『理解するための最良の手段は、自然の無限の作品をたっぷり観賞することだ』
私生児として生まれ、孤独な幼少期を過ごしたダ・ヴィンチは、満足な教育が受けられませんでしたが彼を取り巻く豊かな自然をじっと見つめ、その探求心を養ったといわれています。
そうしたことを反映してか次のようにも語っています。
『誰も他人のやり方を真似すべきではない。
なぜなら、真似をすれば自然の子供ではなく、自然の孫でしかない。
我々には自然の形態がたくさん与えられているのだから、直接自然に触れることが大事だ。』
ダヴィンチのいう自然にはもちろん人間も含まれていたのでしょう。
まだまだ人は神によって作られたものであると信じられていた時代、ダ・ヴィンチは一人冷静な”科学者の目”で人体を分析していたのです。
そうした研究は例えば眼球の解剖を通して光と眼球の原因を解明したり、妊婦の解剖をして妊娠の原理と胎児の成長の過程を解き明かそうとするなど現代西洋医学の先駆けともなったのです。
また空を飛ぶことを夢見ていたレオナルドは、鳥の骨格などの研究を通してグライダーやヘリコプターなどの原型ともいえるものを考案します。
これらの研究もまた自然を見つめ、手本とするところから出発しています。
実際に実現はしなかったものの19世紀以降科学分野が発達するにつれて、その先進性が再注目されました。
近代的合理精神の持ち主レオナルド
ある時近くの山頂から貝殻の化石が発掘されました。
当時の人々は『旧約聖書』のノアの箱舟伝説が証明された!と思いました。
つまり旧約聖書の物語にある大洪水によって、山頂まで海水が押し寄せ、そのときに貝殻が混じって運ばれ取り残された結果だと思ったのです。
しかしレオナルドは逆に地殻変動によって、海底が隆起した結果だと言い当てたのです!
このエピソードを証明するようにこのような言葉を残しています。
『わからないことがあると私は答えを求めて田園をさまよった。なぜ貝殻が山の頂上で見つかるのか。
しかも、海にあるはずのサンゴや海藻などの跡をつけて。雷はなぜ起こった後までなり続けるのか。雷光は起こった瞬間から目に見えるのに、雷鳴はなぜもっとあとになって聞こえるのか。
水に石を投げると、水面に輪ができるのはなぜか。鳥はどうして空中にとどまっていられるのか。こういう数々の疑問や不思議な現象が私の心をとらえていた。』
当時の常識にとらわれず、自身の経験と観察、深い洞察力だけをたよりに冷静な答えを導き出したダ・ヴィンチはまさしく近代合理精神を持った人だったといえますね。
ジョルジュ・ヴァザーリの壁画の後ろにレオナルドの失われた壁画?
1557年、フィレンツェ、ヴェッキオ宮殿の五百人広場の改築に伴い、あのルネサンスもう一人の天才ミケランジェロとの直接対決が失敗に終わり、放棄されたレオナルド・ダ・ヴィンチの壁画『アンギアーリの戦い』の上に、画家・彫刻家であり著述家のジョルジュ・ヴァザーリが壁画を描くことになりました。
それが現在見られる「マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い」です。
しかしレオナルドの崇拝者だったヴァザーリは、尊敬するレオナルドの絵を消すなど出来ず、手を付けられなかったという話があります。
時を経て現代、1970年代の調査で絵の上部のフィレンツェ兵士が掲げる軍旗に「Cerca trova(探せ、さすれば見つかる)」というなにやら意味深な言葉が見つかったのです。
これはレオナルドの壁画が隠されている暗号ではないか?と主張する米・カリフォルニア大学サンディエゴ校の美術史家マウリツィオ・セラチーニ氏によって調査がなされました。
壁に小さな穴を開けて小型カメラを通してその裏側見てみると、なんと!壁の後ろに2.5㎝ほどの空洞が確認できたのです。
そしてそこから採取した砂粒をⅩ線分析してみると、レオナルドが当時使用した絵具の成分と似ていることが分かりました。
やっぱりヴァザーリはレオナルドの絵を塗りつぶさずに自分の絵の裏に隠したのでしょうか?
残念ながら現在は政治家や市民の反発を受けて調査は中断されており、これ以上詳しいことは分かっていないようですがセラチーニ氏は次のチャンスを待っているということです。
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