こんにちは管理人の河内です。
今回は前回に引き続き画家たちの言葉にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。
後半では、作品についての直接的な言及ではなく、画家としての哲学や一人の人間として人生について語った深い言葉をご紹介してみたいと思います。
前半をまだ読み出ない方はこちらをご覧ください⇒【画家たちの名言】(前半)
目次
画家の名言②~画家としての生き方や哲学についての言葉
ジャン=フランソワ=ミレー
「他人を感動させようとするならまず自分が感動しなければならない。そうでなければいかに巧みな作品でも生命をもたない」
「芸術は慰みの遊びではない。それは戦いである」
ポール・セザンヌ
「リンゴでパリを驚かせてみたい」
“近代絵画の父”と言われるセザンヌの言葉です。
セザンヌは画家を志して親の反対を押し切って芸術の都パリに出ました。
初めは印象派の画家たちと交流してその技法を学びますが、その偏屈で人付き合いが苦手な性格からグループを離れ独自の芸術を模索するようになります。
結局パリで認められることのなかったセザンヌは、故郷の南仏に戻って一人制作に励んだのですが、その時の重要なモチーフが故郷の自然とそこに住む人々、そしてリンゴでした。
来る日も来る日もリンゴと格闘し独自の理論によってその存在に迫ったセザンヌには、いつかはこのリンゴをモチーフにした作品でパリの美術界をはッといわせ、果たせなかった夢を遂げようとしていたのかもしれません。
ジョルジュ・ブラック
「人は想像力を働かせるのに疲れると、才能のせいにして考えるのをやめてしまう」
こちらはピカソと共にキュビズムという新しい様式を展開した画家ジョルジュ・ブラックの言葉です。
ということは、想像力は才能ではなく努力によって得られるということなのでしょうか。しかしそれを“働かせる”には相当の忍耐が必要であり、それに耐えられなくなるとつい「才能がない」からと逃げ出してしまうということなのでしょうか。なかなか耳が痛いことばです。
パブロ・ピカソ
「どんな創造的活動も、初めは破壊的活動だ」
創造と破壊、まさにピカソのためにあるような言葉ですね。
「ダメなアーティストは真似ようとする。偉大なアーティストは盗むんだ」
これもさすがピカソと言った言葉ですね。
ちょっと衝撃的です。現在では“盗用”というのはすぐに著作権だなんだと袋叩きに合いそうな言葉ですが、ピカソはまさにこの言葉通り周りの画家たちが珍しいことをすればすぐに盗んでその人より上手にやってしまったそうですが…
「コンピュータなんて役に立たない。だって答えを出すだけなんだから」
まさにコンピュータ全盛の現代には耳の痛い言葉ですね。
そのうち人間のすることはAIによって取って代わられるなんてことを耳にしますが、芸術は答えよりも問いを発することの方が大切ということかもしれません。
中川一政
「失敗だなんて…傲慢だね。失敗なんかじゃない。あれが…今の君自身、君そのものなんだ。 目の前から消し去って『失敗だ』の一言で安心してしまうなんて安っぽすぎる…卑怯すぎる」
中川一政は明治から昭和にかけて活躍した日本の画家ですが、この言葉から絵に対して相当厳しい人だったことが伺えますね。管理人も絵を描く人間のはしくれとして身につまされる言葉です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
「自然の女神の創造物には何一つかけるところがなく、何一つ過分なものがない」
「芸術に完成というものはない。途中で見切りをつけたものがあるだけだ」
「あなたが触る水が一番最後に過ぎ去ったものであり、また、一番最初に来るものである。現在という時も同じである」
この言葉を聞いて何か思い出しませんでしょうか?そう日本の古典名著、鴨長明が書いた『方丈記』冒頭部分「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」ですね。
くしくも彼の生きた時代も現在のように天災が多く、長明自身も不遇な人生を送ったことからたどり着いた『無常観』、いわゆる仏教の無常思想から出た言葉と思いますが、天才科学者でもあったダ・ヴィンチはあくまでもその天性の観察眼から導いたことばだと思いますが、仏教の思想と通じるとは恐るべしダ・ヴィンチ!
オーギュスト・ルノワール
「…ようやく何か分かりかけてきたような気がする。私はまだ進歩している」
これはルノワールが残した最後の言葉とも言われています。
巨匠として世界中から愛されるルノワールも,最後まで完全に自分が完成だと思えることはなかったのでしょう。
「もはやどのように絵具を塗るべきか線を引くべきか、まったく分からない」
そしてこちらは若い頃、印象派の手法に行き詰っていたころの言葉です。
この後10年はルノワールの苦悩の時代が続きますが、38歳の時に後の妻となる女性アリーヌ・シャリゴと出会います。
二人で訪れたイタリアでラファエロの描いた裸婦を見て衝撃を受けたルノワールは彼女をモデルに新しい手法で裸婦像を描き新たな道を見つけました。
日本の葛飾北斎も同じように「もう五年生きていたら、本当の絵描きになれる」
逆に人生の終焉に来てようやく何かを達成したという画家もいます。
例えばピカソは「私は12歳でラファエロのように描けたが、子供のように描くには一生かかった」と語り、ピカソにとって究極的な目標はまさに子どものように純粋な気持ちで自由に描くことにあったということですね。
さらにピカソと並ぶ20世紀の巨匠・アンリ・マチス「若い時に夢見ていた境地へ、50年の仕事の後にやっと到達したのだ」と画家人生を全うした幸せを語っています。
ミケランジェロ・ブオナローティ
「熟練の域に達するため、いかに一生懸命仕事をしたかを知れば人々は私の作品を素晴らしいとは思えなくなるだろう」
ミケランジェロは自分がいかに苦労を重ね心血を注いで作品を作っているかを吐露しています。そしてこうも言っています。
「天才とは永遠の忍耐である」
ミケランジェロは天才であることを自覚していましたが、その才能は天から降って湧いたのではなく絶え間ない努力と忍耐の結果であるといっているのです。
これは上述したブラックの言葉にも通じますよね。
反対にここまでやれば凡人も天才になれるのかも?(;^_^A
画家の名言③であり人生に関する言葉
ここでは画家、芸術家に限らず、私たちすべての人間に対するある意味“真実”や
人生の指針となりそうな深い言葉を集めてみました。
これらの言葉は管理人が個人的に心に響いた言葉ですが、この記事をお読みいただいている皆さんのおかれた状況に応じて感じ方、響き方が違うと思いますので解説などは加えず
列挙しました。
今は何も感じなくてもいずれいろんな立場や状況の変化とともに突き刺さることがあるかもしれませんね。
オーギュスト・ルノワール
「百の欠点を無くしている暇があるなら、ひとつの長所を伸ばした方が良い」
カミーユ・ピサロ
「幸せな人とは、質素な場所でも他人には見えない美しさを見ることのできる人である。どんなものでも美しく、大切なのはそれをいかに受け取るかということだけだ」
レオナルド・ダ・ヴィンチ
「苦労せず手に入れたものは、幸運に値しない」
「充実した一日が幸せな眠りをもたらすように、充実した一生は幸福な死をもたらす」
パブロ・ピカソ
「できると思えばできる、できないと思えばできない。これは、ゆるぎない絶対的な法則である」
「インスピレーションは確かに存在する。しかし、それが訪れるのは、あなたが働いている時に違いない」
「明日に延ばしてもいいのは、やり残して死んでもかまわないことだけだ」
「人はありとあらゆるものに意味を見出そうとする。これは我々の時代にはびこる病気だ」
ミケランジェロ・ブオナローティ
「最大の危険は、目標が高すぎて達成できないことではない。目標が低すぎて、その目標を達成してしまうことだ」
ヴァン・ゴッホ
「舗装された道は確かに歩くのは楽だ。しかしそこには花は咲かない。」
トゥルーズ・ロートレック
「人間は醜い。されど人生は美しい」
最後に言葉ではありませんが、ポール・ゴーギャンの作品名から
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
画家の名言~まとめ
巨匠たちの残した言葉の数々いかがでしたか?
やはり天才とはただならぬ人たちですね。
単に絵がうまいだけではなくて一流の哲学者や詩人でもあったことがこうして残した言葉を見てみるとわかります。
管理人的には時代も文化も違うのに仏教や東洋の故事と通じる言葉を西洋の画家が語っているところに面白さと人類共通の何かがあると感じました。
どれか一つでも皆さんの心に響くものがあれば幸いです。
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