こんにちは。管理人の河内です。
今回は前回の“目の描き方に続いて顔のパーツシリーズ第2弾として「口」を取り上げてみたいと思います。
口もまた目と同じ様に顔の中心的パーツではありますが、目と比べると表情によって変化の度合いが大きいという特徴があります。
これは人間が話したり咀嚼したりするために、複雑な動きが求められるからで、頭蓋骨を見ればわかるように頭部とあごの骨は二つに分かれいて、それらをつなぐために筋肉や健などが複雑に絡み合っていることによるものです。
今回も“目の描き方”の時と同じく、まずはそうした構造をしっかりと頭に入れておいて頂きたいと思いますのでそのあたりから解説していきたいと思います。
目次
口の描き方① 口の位置とプロポーション
まずは顔全体の中で、口のある位置とプロポーションについて確認しておきましょう。
これはよく言われることですが、一般的に顔面(頭頂部Aとあごの先端B)のほぼ中央に目のラインがあります。
そしてこのライン①とBの中央に鼻の下のライン②があります。
さらにこのライン②と顎Bの3分の1あたりに口のライン③があります。
このプロポーションは、あくまでもおおよその目安ではありますが、大まかなひな形として目安になりますので是非頭に入れておいてください。(人物の年齢が低くなるほど目のライン①は低い位置になります)
口の描き方② 口の面の構造
マンガやイラストでは口は平面的に描かれるものですが、実際は口も顎の骨に沿ってあるわけですからかなり立体的な構造をしています。
下の写真は頭蓋骨を少し上から見た図ですが、あごは中心部を先頭にほぼⅤ字型をしています。
この骨の上に筋肉や脂肪、皮膚が乗ってくるわけですので、口も鼻と同様に膨らんだ形状をしています。これを簡単にまとめますと3つの面があるとうことを覚えておいてください。
口の描き方③ 上唇と下唇は全く逆
一方で顔面を縦方向に見ていくと口は上唇と下唇に分かれます。
しかしこの二つは全く逆の方向を向いているということを意識してください。
面でいうと上唇は下を向いていて暗く、下唇は上を向いているので明るいということですが、顔を描いていると唇はほかの皮膚に比べて色がありますのでどうしても全部濃く塗ってしまいがちになります。特にモデルが口紅を塗っていたりした場合注意が必要です。
口の描き方④最大のポイントは口元!
では最後に一番のポイントをご紹介します。
それは口元(くちもと)です。
意外と思われるかも知れませんが、口を魅力的に描くにはこの口元にこそ秘密があります。
口周辺は、咀嚼したり話したりする期間ですから微妙な変化が出来るように大小いくつかの筋肉で構成されています。
そしてそれらがこの口元に集まってくるのです。
ですからとても繊細な動きとそれに伴う陰影がついてきます。
この口元によってその人の表情や性格が決定されるといっても過言ではありません。
かのモナ・リザは、まさにこの口元の繊細な表現によって「永遠に謎と言われる微笑を湛えているのです。
こちらはミケランジェロのダヴィデ像。彫刻ですがこの引き締まった口元から意志の強さ、これから戦いに臨もうとする緊張感が伝わってきます。
口と言えはそのまま唇だけを上手く描ければよいと思いがちですが、実はその足元である口元にこそ表情を描き分けるだけでなく描かれる人物の性格やその時の気持ちまでが現れる重要な鍵であり、口を描く上での醍醐味になってきます。
口の描き方 まとめ
いかがでしたか?
今回は実際に口を描く前の段階として、まずは頭に入れておいていただきたい事柄について解説してみました。
絵を描くというのは視覚を通して受け取った情報を、画面に移すという風に思われがちです。
確かにその通りではあるのですが、描き手側がどのようにものを見るか、どういうイメージをもって対象と接するかで随分違ったものになります。
いわゆる固定観念に縛られることなく、こうした客観的見方をベースにしながら口を見て描いていければより魅力ある口が描けるようになります。
次回は実際の制作過程を見ながら口を描くときの具体的なポイントについて解説していきたいと思います。
⇒【口の描き方】②実践編!デッサンの制作過程に沿って解説します!
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