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【画家たちの名言】歴史に名を残した巨匠たちは何を語ったのか?(前半)

こんにちは。管理人の河内です。

今回の記事では、作品ではなくて画家たちの残した「言葉」にスポットをあててみたいと思います。

 

管理人はずっと絵の世界に携わって生きてきましたので、いろいろ勉強していく中で歴史に名を残す巨匠たちからは技術的なことだけではなく、人として様々な考え方や生き方、人生訓みたいなものも教えられることも多くあります。

 

今回はそんな管理人の心に響いた言葉、さらに絵の世界だけでなく広く皆さんと共有したい名言・金言、絵には関係ない生活を送っていても人生において何かの時にお役に立ちそうな言葉をいろいろご紹介してみたいと思います。

 

目次

画家の名言①~絵に関する言葉

まずは巨匠たちの残した名言の中から、自らの作品や制作に対する考えや姿勢などについての言葉をご紹介します。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉

「髪を描くときは水の表面の動きをよく観るのだ。髪の巻き方は水の流れの動きによく似ている。自然を師としなければならない」

 

ダ・ヴィンチと言えば、ルネサンス最高の画家にして科学者としての一面もある万能の人として知られていますが、彼の時代を先取りした科学的思考はこの言葉が表すようにまさに自然を徹底的に観察することから生まれたものでした。

絵はとかく感性で描くものと思われがちですが、観察に基づく客観的な裏付けがあってこそ『モナ=リザ』のような名作が生まれたことはとても重要です。

またダ・ヴィンチだけでなく多くの画家が自然を唯一のお手本として、観察からすべてが始まるというような言葉を残しています。

 

「自然こそすべての始まりである」カミーユ・コロー

「芸術は、我々に自然が永遠であることを味合わせなければならない」ポール・セザンヌ

 

天才とは一見、自分の才能をもとに好き勝手に描いているように思われがちですが、実はこの謙虚な態度こそが大事なんだと気づかされます。

 

 

ラファエロ・サンツィオの言葉

 

「美しい女性を描くには、最も美しい女性を見る必要があります。しかし実際には美しい女性は極めてまれです。だから美しい女性を描くために私は心の中の理想の姿を描きます」

 

“美しい聖母の画家”として知られるラファエロですが、この言葉には納得ですよね。

ラファエロの絵に登場する聖母マリアはどれも美女ぞろい。そんなに当時は美人モデルが多かったのかというとそういうわけではなく、ラファエロも今でいう“盛る”ことをしていたんですね(;^_^A

 

でもこの絵は実際ラファエロが恋をした女性がモデルです。

彼女こそがラファエロにとっての理想の姿をした女性なのだそうです。

 

しかし二人の恋は身分の違いから叶うことなく終わります。

実はこの絵でモデルが身に着けているのは花嫁衣裳。叶わぬ恋を胸に秘めて描かれたと知れば、この絵の見方もぐっと胸に来ますね。

 

 

情熱の画家ヴァン・ゴッホの言葉

「私は音楽のように心慰めるものを絵の中で表現したい。」

激しい色彩で情熱の画家と言われるゴッホですが、実は若いころは牧師になって社会の虐げられた人たちを癒したいという優しい心の持ち主でした。

画家となって立場は違えど自己表現だけでなくこうした優しい気持ちを込めて作品を描いていたんですね。

 

 

パウル・クレーの言葉

 

「芸術とは見えているものを再現するのではなく、(見えないものを)見えるようにすることだ。」

この言葉は管理人が先生から教えてもらった言葉です。

学生時代、単純に見たものをそのまま写すだけになっていた自分に絵を通して何を伝えたいかが大事だということを教えてくれました。

クレーの代表作『パルナッソス山へ』

光の画家クロード・モネの言葉

「すべては千変万化する、石でさえも」「私は鳥が歌うように描きたい」

このモネの世界観、絵に対する姿勢はもはや“禅”の境地です!

そしてゴッホもまた「限りなく無に近づけ」と言っています。

私たち日本人がゴッホやモネをこよなく愛するのには、こんなところに共通点があるのかも知れません。

モネについての詳しい記事はこちら⇒【光の画家】クロード・モネ印象派の巨匠をご紹介します。

ウジェーヌ・ドラクロワの言葉

 

「画家は灰色を使って色白の美女を描くことができる」

これも深い言葉ですね。ちょっと絵を描く人にしかピンとこないかもしれませんが…

よく良いデッサンは色を感じるなんて先生に言われたものです。

ドラクロワについての詳しい記事はこちらをご覧ください⇒【フランス・ロマン派の巨匠】ウジェーヌ・ドラクロワの作風と生涯をご紹介します。

 

ジョルジュ・デ・キリコの言葉

「影の中にはあらゆる宗教よりも多くの謎がある」

何か意味深な感じがすることばです。

これは管理人が個人的に引きつけられた言葉です。

 

デ・キリコは19世紀に活躍した“形而上絵画”と呼ばれるジャンルを代表する画家です。

「形而上」とは聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと「見えている世界を通して、それ以上のものを感じさせる」ことを言います。

 

イタリア出身のデ・キリコの描く作品は、一見イタリアのどこにでもありそうな広場や遺跡が描かれていますが、影を効果的に用いることで、どこか不穏な空気が漂い不気味な違和感を感じさせます。

 

キリコは見慣れたものを描いてはいても時間や空気、温度までがいつもと違う感覚を感じさせたのです。

しかしそこには明確な答えは用意されていず、「謎」だけが残ります。

キリコは「謎以外に、一体何を愛せようか」という哲学者ニーチェの言葉をこよなく愛していてこうした世界を表現しました。

 

ポール・セザンヌの言葉

「自然を円筒形と球体と円錐形によって扱いなさい」

これは絵を学校などで本格的に学んだことがある方にはおなじみの言葉ですね。

どれほど対象が複雑でもその中にこれら三つの基本形体が隠れていて、それを見つけ、土台として扱うことで細かいことや枝葉に気を取られずどっしりとした存在感が生まれるというような意味でよく引用される言葉で、現代でも現役で使われる名言です。

 

セザンヌについての詳しい記事はこちらをご覧ください⇒【近代絵画の父】ポール・セザンヌの生涯と作品を解説します。

 

 

パブロ・ピカソの言葉

ピカソ、言わずと知れた20世紀最大の巨匠ですが、彼の語った言葉は名言だけでなく珍言、ピカソにしか言えない言葉が目白押しでそれだけで何冊か本が書けそうなくらいです。

 

そんな中でも管理人の心に響いた言葉をご紹介します。

 

「人はあらゆるものや人に意味を見出そうとする。これは我々の時代にはびこる病気だ」

よく絵を見てこれは何を表現しているのですか?という質問を受けます。

こうした疑問を持つのはピカソのように抽象的な作品ならばなおさらです。しかしピカソはこの言葉であえて意味などない、考えなくてよいとさえ言っているようです。

さらに「何か新しいものを作るとき、それを作るのは実に複雑だから、作品はどうしても醜くなってしまうのだ」

「私は対象が見えるようにではなく、私が思うように描くのだ」

とい言っているように作品にはもはや“美”“醜”に上下はなく、自分の心のままに描いていることが分かります。

「私は日記を書くように絵を描く」とも言っているようにピカソにとって絵を描くことは人生を生きることそのものだったということが出来るのではないでしょうか。

 

【ピカソ関するその他のおすすめ記事はこちら】

・《20世紀最大の巨人》パブロ・ピカソはどんな画家だったのか?

・創造と破壊!ピカソの画風とその変遷をたどります。

・「美術の革命」ピカソの代表作を解説付でご紹介します。


後半に続きます⇒

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