こんにちは。管理人の河内です。
今回は印象派の巨匠「光の画家」と呼ばれたクロード・モネの代表作をご紹介します。
伝統的な絵画に背を向け、独自の表現を追求した印象派の画家たち。特にモネは時間とともに移ろう光を飽くことなく生涯追いつ続けました。
目次
モネの作品① ラ・グルヌイエール
1869年 メトロポリタン美術館蔵
パリ近郊のリゾート地、ラ・グルヌイエールで水遊びに興じる人々を描いた作品。
モネがルノワールとイーゼルを並べて描いた作品としても有名ですね。
この作品以外にも数点同じテーマで競うあうように仲良く描いています。
一見すると写真かと思うほどリアルな水面の反射ですが、さにあらずなんとも大胆なタッチで力強く描かれているにも関わらず繊細な光のゆらぎが表現されています。
これは”筆触分割”という印象派独自の表現方法を編み出した時期の作品です。
人々の楽し気な雰囲気を重視したルノワールに対し、モネは人物を風景の一部としてとらえているなど二人の印象派巨匠の違いが興味深いですね。
モネの作品② かさざき
1869年 オルセー美術館蔵
フランスの避暑地エトルタの雪景色を描いた作品です。
明るく鮮やかな色使いが最大の魅力であるモネが描いた一面の銀世界は独特です。
しかし一見モノトーンにも見える白の世界ですが細部を良く観察すると、わずかにいろいろな色彩が重ねられ暖かみさえ感じられるようです。
モネの作品③ 印象・日の出
1872年 マルモッタン美術館蔵
フランス北西部ル・アーブルの港の日の出を描いた作品。
1874年の第一回印象派展に出品され、「印象派」の名前の由来ともなった作品です。
即興的に大胆な筆使いで描かれた海、全体的に霧に霞んだ港の遠景に登る赤い太陽がアクセントとなっています。
モネの作品④ アルジャントゥイユのレガッタ
1872年オルセー美術館蔵
アルジャントゥイユで行われるレガッタ(ボートレース)の準備の情景を描いた作品です。
ラ・グルヌイエールからさらに進んで大胆に太い筆で一気に水面の映り込みや波を表現しています。
モネの作品⑤ 散歩、日傘の女
1875年 ワシントンナショナルギャラリー蔵
三枚描かれた日傘をさす女性をモデルにした作品の最初のもの。
妻カミーユと息子ジャンをモデルに描かれました。
暖かな日差しの中、愛する妻子を見つめるモネの優しさが伝わってきそうです。
またこの場面は、宮崎駿監督の「風立ちぬ」で主人公の妻奈緒子が風の強い野原で一心に油絵を描いているシーンがあり、監督がこのモネの絵へのオマージュとして取り入れたと言われています。
カミーユはこの4年後、結核で32歳の若さで亡くなるのですが、奈緒子もまた同じ運命をたどりますよね。
この二、三枚目は(1886 年)再婚相手アリスの連れ子がモデル。
顔の表情はほとんど判別できず風景と一体となって幻想的な雰囲気が漂うため亡き妻カミーユをイメージして描かれたとも。
この2点はオルセー美術館所蔵。
これ以降モネは人物画をほとんど描かなくなりました。
モネの作品⑥ ラ・ジャポネーズ
1876年 ボストン美術館蔵
当時流行の日本趣味(ジャポネズリー)を最も顕著に表した作品です。
妻のカミーユをモデルに、武者の刺繍の入った真っ赤な着物をまとわせ、手には扇子を持たせ見るものを挑発するようなポーズをとらせて描いています。
1876年の第2回印象派展に出品されました。
モネの作品⑦ サン・ラザール駅
1877年 オルセー美術館蔵
この駅はアルジャントゥイユとパリを結ぶターミナル駅で、当時この近くに住んでいたモネは、数回この駅を描いています。
吹き上がる蒸気や煙、鉄骨とガラス張りの屋根などは、産業革命を経て近代化するパリの象徴であり、鉄道駅の活気の雰囲気をよく伝えています。
モネの作品⑧ 積み藁
1890年 オルセー美術館蔵
1890年代からモネは一つのテーマを時間や場所、季節、光線を変えて複数描く連作を数多く制作しています。
そしてその最初のものがこの積み藁だと言われており、モネが名声を得る重要な作品群となりました。
柔らかな色合いの絵具が幾度も塗り重ねられ、繊細な大気のニュアンスが醸し出されています。
この連作を通してモネは光の変化だけでなく、周囲を取り巻く空気そのものを描こうとしています。
モネの作品⑨ 睡蓮
1906年 シカゴ美術館蔵
モネは晩年、自宅兼アトリエ横に「水の庭」と呼ばれる庭園を造り、その池に多くの植物を植えました。
その中でもモネの代名詞ともいえる睡蓮は、飽くことなく最後まで書き続けた最大のモチーフでした。
モネは終生このモチーフを描き続け次第にサイズは巨大化し、パリのオランジュリー美術館は長さ12メートルを超す睡蓮の連作で覆われています。
いかがでしたか?日本人が最も愛する画家のひとりモネの作品。
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【「光の画家」印象派の巨匠クロード・モネの魅力をご紹介します。】
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