ルノワールの技法とその変遷をたどる!

こんにちは。管理人の河内です。

今回は印象派の巨匠オーギュスト・ルノワールの技法と画風の変遷に注目してご紹介していきたいとおもいます。

目次

ルノワール技法① 初期~印象派の誕生

ルノワールは若い頃、シャルル・グレーールの画塾でモネやシスレーらと親交を結び、ともにフォンテーヌブローの森や「ラ・グルヌイエール」に代表されるようなセーヌ川やモンマルトルの風景など、戸外での制作を通して印象派としての作風を確立しました。

それまでのアカデミックな作風は、凝った構図と正確なデッサンをもとに、時間をかけて精緻に仕上げられるというものでした。

こんな感じ(↓)が主流。

それに対し、印象派は即興的で素早く大胆なタッチと鮮やかな色彩を生かし、輪郭線をぼかした技法です。

そしてより鮮やかな光を表現するために、色をパレットで混色して作るのではなくキャンバスに直接並べて配置する方法を編み出しました。

このやり方はルノワールだけでなくモネをはじめすべての印象派画家が用いた手法であり最も印象派らしい技法と言えるでしょう。これを色彩分割と言います。

ルノワールの技法② 古典への回帰

その後、こうした印象派的手法に限界を感じたルノワールは、1881年のアルジェリア、イタリア旅行で、ラファエロなど古典の傑作に触れそれまでの色彩重視から形態重視に転向します。

古典の名作。ラファエロ作「アテネの学堂」

プッサンや新古典主義のアングルらに強い影響を受けて輪郭線をくっきりと描き構図を作り込む「冷たいアングル風」の作風へと変化しました。

ルノワールの技法③ 晩年

1890年代に入ると女性の生き生きとした表現を模索してこうした冷たさがなくなります。

肌にピンクやバラの紫、赤など暖かな色を多用します。

「ピアノに寄る少女たち」
それはある種俗っぽさを感じさせますが、穏やかで幸福な雰囲気を作り出し、ルノワールが求めた難しい芸術理論では語れない「見るものを捉え感動させる」絵画となったと言えるかもしれません。

 

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