史上最高額の絵画!レオナルド・ダ・ヴィンチ幻の作品「サルバトール・ムンディ」

目次

ダ・ヴィンチ幻の作品① 史上最高額で落札!

このほどニューヨークの大手競売クリスティーズのオークションで、ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の名作が史上最高額で落札されて世界中で話題になりました。

その作品がこれ↓

題名の「サルバトール・ムンディSalvatore Mundi」とは救世主を意味するラテン語で、レオナルド・ダ・ヴィンチが円熟期にあたる1500年ごろ描いた作品とされています。

救世主とはすなわちイエス・キリストのこと。

この絵は十字架で貼り付けになり、復活した後のイエスを描いたものです。

 

ダヴィンチ特有のスフマート(ぼかし)と何層にも重ね塗りされた絵具の効果により、その不思議な魅力から「男性版モナリザ」とも言われています。

レオナルドの現存する作品は16枚しかなく、そのほとんどが美術館に入っており、個人所有ではこの一枚しかありません。

 

ということで、市場に流通できる唯一のダヴィンチ作品として一体いくらの値段がつくのかが注目されていました。

 

これまで絵画での最高額は、2015年に出たピカソの「アルジェの女たち」で1億7900万ドル。

しかしなんとこの作品は、オークション開始わずか3分でこの値段を抜き、どんどん値が吊り上がっていきました。

そして競り上がった結果は、当初の予想をはるかに超えた4億5031万2500ドル(約508億円)!

美術品として史上最高額を記録しました。

防犯上のためか、落札当初は落札者の名前が伏せられていましたが、このほどサウジアラビアのムハンマド皇太子だったことが判明。

「サルバトール・ムンディ」は近くアラブ首長国連邦の「ルーブル・アブダビ」に展示されるということです。

 

 

ダ・ヴィンチ幻の作品② サルバトール・ムンディとは?

ではその『サルバトール・ムンディ』とはいったいどういう作品なのでしょうか?

「サルバトール・ムンディ」とはラテン語で『世界を救うもの=救世主』を意味します。

64.5センチ×44.7センチ板に描かれた油絵です。

ルネサンス“万能の天才”レオナルド・ダ・ヴィンチが1500年ごろに描いた作品。

絵を全く知らない人でもモナリザは誰もが知っていると思いますがその作者です。

 

青い衣服を纏ったイエス・キリストが正面向きに描かれ、左手に「世界」を表すといわれる水晶のような球体を持ち、右手は祝福を与えるポーズをとっています。

その不思議な魅力を湛えた表情から「男性版モナ=リザ」ともいわれています。

 

では一体なぜ立った一枚の絵にこれほどの値がついたのでしょうか?

「サルバトール・ムンディ」は長い間行方が分からず、幻の作品といわれていました。

それが突然この21世紀になって表れたことにも意味があるのかもしれません。

そもそもレオナルドは寡作な作家で、完成した作品もごくわずか。

そのほとんどがすでに美術館に収まっており、これが「最後のダ・ヴィンチ作品」とまで言われているそうです。

しかしいくら貴重で素晴らしい作品だとしても500億とは、私たち一般にとっては想像もつかない金額でただただ不思議に思うしかありませんね。

もしこの落札者が転売目的だとすれば、これを超える額でだれかが買うという見込みはあるのでしょうか?

 

 

ダ・ヴィンチ幻の作品③ 「サルバトール・ムンディ」がたどった数奇な運命

ここではそんな途方もない金額で取引されたこの作品について、その数奇な歴史にまつわるエピソードをご紹介します。

 

レオナルドの死後、130年ほど後の17世紀イギリスのチャールズ1世のコレクションに入っておりイギリス王族が所有していたことが分かっています。

その後1763年バッキンガム公の息子がオークションに出品し、そのご所在不明に。

時が経ち、1900年イギリス貴族モンセラート伯のフランシス・クックが所有していたことが判明。

しかしこの時すでに他の画家たちから何度も加筆されて全く別の絵になっており、レオナルドの作品だとは思われていませんでした。

1958年にはそれが45ポンド、当時のレートで4万5千円ほどで売却され、またも行方が分からなくなっていました。

 

そして次に所在が判明するのが2005年のこと。

3人の美術商が共同で購入、その時の値段は1万ドル程度だったといわれています。

しかしこの美術商たちはこの絵が当初からレオナルドのものではないかという疑いを持ち、専門の修復家に洗浄をさせたところ、なんと予想通り下からこの絵が現れたのです。

その後6年をかけて世界中のレオナルド専門家に鑑定を依頼し、ようやく真作と認められました。

 

現在ロシアのエルミタージュ美術館所蔵の「ブノワの聖母」1909年に発見されて以来100年ぶりのレオナルド真作の大発見となったのです。

そして2011年からロンドン・ナショナルギャラリーで一般に公開されました。

 

この展覧会の後、2013年スイスの美術商イヴ・ブービエを通してロシアの大富豪、プロサッカーチームACモナコの会長でもあるドミトリー・リボロフエフに1億2750万ドル(約143億円)で売却されました。

しかしその後、ブービエは元の所有者だった3人の画商からは8000万ドル(約90億円)で買ったことが判明します。

ブービエは絵を仲介しただけで4750万ドル(53億円)を手にしたのです。

このことが批判を浴び、ブービエは詐欺の訴訟を起こされ逮捕されました。

 

そこで今回のオークションに話を戻しますと、当初はブービエが買った8000万ドルとロシアの富豪に売った1億2750万ドルの間あたりの1億ドル前後が予想落札価格だとみられていました。

しかし実際のオークションを開けてみるとびっくり!

4億5000万ドル(約510億円)という4倍以上の値で落札されたのです。

ということは、4750万ドルもぼったくられたと画商ブービエを訴えたリボロフエフは、3億2000万以上も高値で売れた=儲けたということになります。

 

逮捕されたブービエは…((+_+))ちょっと同情しますよね、

 


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