こんにちは。管理人の河内です。
今回は、日本で一二を争う人気画家ゴッホの代表作をご紹介します。
管理人自身もゴッホは大好きなので、数ある名作から選ぶのは難しいのですが、とりあえず押さえておきたい作品を取り上げてみました。「ひまわり」をはじめ有名作品が多いのでどこかでご覧になった作品も多いと思います。
目次
1888年 損保ジャパン日本興亜美術館蔵
ゴッホの代名詞「ひまわり」です。
彼の最も好んだ黄色を独特の大胆なタッチで一気に描き上げられた傑作です。
しかしこのダイナミックさが際立つ絵ですが、色彩は繊細で微妙な黄色のバリエーションがうかがえます。
現在東京の美術館が所蔵するこちらの絵は、ゴッホがアルルで描いた7点のひまわりのうちの一点。
ゴーギャンの到着を待ちわびながら、ゴーギャンの部屋を飾ろうと描いたものです。
因みにこの作品はバブル絶頂期だった1987年当時の安田火災海上(現損保ジャパン)が58億円という破格の高値で落札したことで話題となりました。
1889年 オルセー美術館蔵
ゴッホに限らず画家にとって、自画像は最も直接的に自己を見つめなおす時間です。
モデルを雇うお金のなかったゴッホはオランダ時代より何度も自画像を描いています。
この作品はその最後に描かれたものです。
一連のてんかんの発作の後の、無気力ながら鋭い目つきで描かれています。
上着と背景が同系色で塗られ、背景の渦巻き状のタッチの流れと服のしわの流れが呼応して、心の不安定さが画面全体を覆っているようです。
ここでもゴッホは青系の色をより印象付けるために、補色であるオレンジ色が髭に効果的に使われています。
画家の目から見て特に注目したいのは、肌の影の色です。青とオレンジという対照的な色を使いながら、微妙に混ぜ合わせ柔らかい中間色で描かれています。この中間色こそが、強い色彩ばかりに目が行きがちなゴッホ作品の立役者でありゴッホの色彩感覚の素晴らしいところだと思います。
1890年 アムステルダム・ゴッホ美術館蔵
弟テオに長男が生まれたことを聞いたゴッホがそのお祝いとして描いた作品です。
ゴッホは母に宛てた手紙の中で「その子のためにすぐ青い空を背景に白い花をつけたアーモンドの木の枝の絵を描き始めました」と書いています。
アーモンドの木は新しい命の象徴として描かれています。
またテオは、その長男にフィンセントと名付けようとも書いており、二人の親密さがうかがえます。
1890年
ゴッホの治療に当たり、その最後を看取った医師ポール・ガシェの肖像画です。ガシェ本人も絵を描く美術愛好家でゴッホの良き友人でもありました。
ガシェはゴッホと知り合う前に、この彼が住むオーヴェール=シュル=オワーズで、印象派の長老的存在であったカミーユ・ピサロを介して、まだ駆け出しだったセザンヌとも親交を結んでいます。
この作品も「ひまわり」同様1990年、バブル絶頂期に日本の大昭和製紙名誉会長の斎藤了英氏が、オークションで当時史上最高落札額の8250万ドルという現実離れした額で購入したことで知られています。
この他ルノアールの代表作「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」も購入し「自分が死んだら一緒に棺桶に入れて焼いてくれ」と言ったらそうで、世界中から非難ごうごうでした。
1888年 クレラーミュラー美術館蔵
鮮やかな青い空の元、川辺では女性たちが洗濯をしている牧歌的な風景を描いた作品。
この作品もゴッホの色彩画家としての才能を良く表しています。空と水の青に対し、補色のオレンジが効果的に使われていますが、オレンジが多すぎると絵の印象派暗くなってしまいます。そこでオレンジと同系色の黄色を使い、明るさを損なわずに鮮やかさを引き立てています。
この青と黄色のコントラストは、ゴッホと同郷の17世紀の画家フェルメールも効果的に使っていますね。
またこの絵は、ゴッホが魅了されていた広重の版画「おおはしあたけの夕立」に感化されて描いたともいわれています。
モデルとなったこの跳ね橋は、1930年コンクリート製にかけ替えられたため現存しませんが、観光客用に別の場所にこれに模した橋が掛けられています。
1888年 クレラーミュラー美術館蔵
輝く星空の下、煌々と光るカフェ。
この作品も、濃い青と青紫にオレンジ、黄色という補色の効果が際立っていて印象的な作品です。
人々で賑わうこのカフェは、アルルのプラス・ドゥ・フォルムという広場に面した店で、現在も「カフェ・ファン・ゴッホ」と店名を変え営業しています。
日本でもテレビCMに使われたほか、アニメ「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」にも登場しています。
1887年 ロダン美術館所蔵
パリの画材屋を営んでいたタンギー爺さんの肖像。
彼は作品と引き換えに画材を提供するなど貧しい若い画家たちを陰で支え、とても慕われていました。
背後の壁にはゴッホ自身が描いた浮世絵の模写が並べられており、ゴッホの浮世絵に対する情熱と研究の跡がうかがえます。
1889年 メトロポリタン美術館蔵
精神病院に入院中も、ゴッホは監視付ではあるが絵を描きに外に出ることを許されていました。
南仏の抜けるような青い空、収穫期を迎えて金色に輝く麦畑深い緑の糸杉といったアルルの自然にゴッホは魅了され何度となくこの風景を描いています。
1889年 ニューヨーク近代美術館蔵
この星月夜もゴッホは数点描いています。
ゴッホ晩年の傑作で、入院中の寝室の窓から見えた風景を描いていますが、教会などは実際にこの場所にあるわけではなくゴッホの想像で描かれました。
渦巻くタッチの流れは彼の心の蠢きや不安を映し出しているようです。
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とても分かりやすかった‼️
祖父江勇人様
当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
これからもわかりやすく楽しんでいただける情報をお伝えしていけるよう頑張ります。
もし美術に関する疑問などございましたら是非お尋ねください。 管理人