こんにちは。管理人の河内です。
今回は現在東京、上野にある上野の森美術館で開催中の『ゴッホ展』を見て来ましたのでそのレポートをしたいと思います。
ゴッホについてはこちらに詳しい記事がありますので,是非あわせてお読みいただければと思います⇒『情熱の画家』ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの作風と生涯をご紹介します!
目次
【展覧会名】ゴッホ展
公式サイト;https://go-go-gogh.jp/
【開催期間】2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月・祝)
【会場】 東京上野 上野の森美術館
10か国、地域に及ぶ25か所から作品を集めた約80点が展示されています。
ゴッホの作品は約40点、それにゴッホに影響を与えた“ハーグ派”の画家たちの作品や“印象派”の画家たちの作品が展示されています。
実はゴッホはその短い人生の中でも画家として活動したのはたったの10年間。
その前半の6年をオランダ、後半の4年をフランスで過ごしています。
ゴッホは特に師匠についたりした訳ではありませんので、修業時代という期間はないのですが、画家を志しパリにでるまでのこのオランダ期間が修業時代と言えるかも知れません。
今展覧会の構成も『人生を変えたふたつの出会い』というキャッチコピーがついているように、このオランダ時代とフランス時代に分けて構成されています。
Part1がオランダ時代、Part2がフランス時代です。
Part1は「独学からの一歩」「ハーグの画家たち」「農民画家としての夢」に分かれ、Part2は「印象派に学ぶ」「印象派の画家たち」「アルルでの開花」「さらなる探求」に分かれています。
少しこの二つの時代についてご紹介しておきましょう。
1853年オランダのフロート・ズンデルトという町に牧師の子として生まれたゴッホが画家を志したのは1880年27歳の時でした。
それまでの人生は、その気性の粗さゆえに失恋や仕事の解雇が続き、伝道師になる夢も挫折するなど幸せとは言い難い人生を送っていました。
そんな中、社会の底辺で働く炭坑労働者や農民など厳しい生活を強いられている人々に親しみを抱いたのか芸術によって人々を癒そうと画家を志します。(聖職者を目指したのも同じ理由からでした)
特にバルビゾン派の画家たちに憧れていたゴッホは、オランダでも同じように農民たちの生活を描いていた“ハーグ派”と呼ばれる画家たちと交流し画家としての基礎を学びました。
1886年、33歳の時フランスのパリで画商として働く弟テオドルス(テオ)を頼って彼のもとに転がり込みます。
そしてピサロやルノワールら印象派の画家たちと交流し、影響を受けて作風が変化。また日本の浮世絵にも大きな影響を受けました。
タンギー爺さんことジュリアン・タンギーの画材店などで作品を展示したりするようになります。
しかしパリでの生活に疲れ、心を病んだゴッホは療養のため南仏アルルへと向かいます。
ここで眩しい太陽と輝く色彩に目覚めたゴッホは代表作『ひまわり』や『アルルの跳ね橋』など精力的に活動します。
しかし生活はいつも困窮を究め弟テオからの仕送りに頼っていました。
そしてまたもや精神を病んだゴッホは自らサン=レミの療養所に入院します。
その後健康を回復したゴッホは医師で芸術に理解のあったガシェを頼ってオーヴェール=シュル=オワーズに移住。
しかし経済的にテオに頼り切っていた事態は変わりません。結婚もし子どもも生まれた弟を祝福しつつも自分がテオの重荷になっていると気に病んだ末37歳でピストル自殺を図り二日後に亡くなりました。
今展覧会では『糸杉』以外はそれほどゴッホの代表作や有名な作品が来ているわけではありませんが、ゴッホのたどった短い画家としての人生を概観できる構成となっていました。
特にゴッホと言えば「ひまわり」に代表されるように、フランスでの作品が有名ですが今展覧会では前半部分をオランダ時代にスポットを当てているという点では新鮮かも知れません。
ただそこを強調するにはもう少しオランダ時代のゴッホの作品を多く見せてほしかったです。
ハーグ派の画家たちの作品にはあまり魅かれるものはありませんでしたが、ゴッホが画家を目指した時期に交流のあった“ハーグ派”の画家たちの作品や印象派の作品を同時に見ることで、ゴッホが何を目指し、どうやって“ゴッホ”になったのかの理解は深まると思います。
いかがでしたか?
日本に限らず世界中で愛されるゴッホ。それゆえ代表作をまとめて見られる機会はそう多くはありません。
今展覧会も「糸杉」や「サン=レミの療養所の庭」など少ないですがゴッホの魅力を見せつけてくれる作品はありましたが、この数では、正直昨今高騰するチケット代に見合うかどうかは管理人的には「?」です。
前回の『コートールド美術館展』があまりにも良かったので、少し辛口になりますが星をつけるとしたら2.5個(5個で満点)といったところでしょうか。
『コートールド美術館展』記事はこちらをクリックしてください。
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