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『バロックの神髄!』ルーベンスの代表作を解説します②

こんにちは。管理人の河内です。

今回は前回に引き続き『バロックの巨匠』ペーテル・パウル・ルーベンスの代表作をご紹介します。

ルーベンスの卓抜した画力と多くの弟子や助っ人画家たちとの大画面による共作から、ごく個人的な小さな家族の肖像まで様々なタイプの作品があります。

自分に描けないものはないとまで豪語したルーベンスの作品をご覧ください。

 

ルーベンスの代表作⑨ 「マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸」

394×295㎝ 1622~25年 ルーブル美術館蔵

ルーベンスの壮大な連作『マリー・ド・メディシスの生涯』の中の特に有名な一枚です。

世界最大の美術館ルーブル美術館ではこのように、『マリー・ド・メディシスの生涯』が一堂に並んで観ることが出来ます。

未来の王妃になるべく、イタリアの名門メディチ家からフランス王アンリ4世に嫁ぐためフィレンツェから到着した場面です。

彼女を両手を広げて迎え入れている青いマントの男性は、擬人化された『フランス』です。

空には擬人化された『名声』が高らかにラッパを吹きならし、画面下部の海では海神やニンフも彼女を祝福しています。

輝く船の金色、垂れ幕の赤やマントの青という色彩構成がよりこの絵をきらびやかにし、女官たちに囲まれ凛とした表情のマリー・ド・メディシスの白いドレスと白い肌が一層彼女を際立たせています。

 

 

ルーベンスの代表作⑩ 「マリー・ド・メディシスの教育」

394×295㎝ ルーヴル美術館蔵

王妃マリーの権威付け、神格化が目的でした。

ルーベンスはその卓抜したアイデアと技量で、彼女のとるに足らない出来事をあらゆる手段で豪華に栄光の一ページとして21枚に及ぶ大連作として描きその期待に応えました。

これらは新しく建設されたリュクサンブール宮殿を壮麗に飾りました。

この絵では、マリーはパルナッソス山の岩屋で知恵の神ミネルヴァをはじめ様々な神から教えを受けている場面です。

 

ルーベンスの代表作⑪ 「聖母被昇天」

1626年 アントワープ大聖堂

ルーベンス46歳の時の作です。

アニメ『フランダースの犬』で主人公の少年ネロが毎日のように眺めていた作品です。

聖母マリアは亡くなった3日後に、天使たちに墓から運び出され天に昇っていきました。

画面中央上部には聖母を何人もの天使が下から支え天へ押し上げようとしています。

そのため聖母は『昇天』ではなく『被昇天』と言われ、イエス同様この世には聖母の遺体はないことになっています。

画面下で棺桶をのぞき込み、マリアの遺体がないことに驚いている人々が描かれていますが、中央の赤い女性はこの絵の完成後に亡くなったルーベンスの最初の妻イザベラであり、妻の休死後描き加えられたと言います。

この作品は通常の共同作業ではなくかなりの部分をルーベンス自身の手で描かれたといわれています。

 

ルーベンスの代表作⑫ 「ペルスケン(毛皮さん)」

~毛皮のコートをまとうエレーヌ=フールマン~

175×96㎝ 1635~40年ごろ

ルーベンスの2番目の妻エレーヌ=フールマンを描いた大変私的な作品です。

2人が結婚した時、ルーベンスはすでに53歳、エレーヌは16歳でした。ルーベンスはこの幼い妻を何度も画中に登場させています。時には神話の中、時には家族の肖像として。特にこの作品はルーベンスの遺言によって売却されることを禁じ妻に遺贈されるほど思い入れのあった作品です。

毛皮のコートを着たヴィーナスを描いたティツィアーノに触発されて、妻をヴィーナスに見立てて描いたものと思われます。

 

 

ルーベンスの代表作⑬ 「エレーヌ・フールマンと子どもたち」

1636年 113×82㎝ ルーブル美術館蔵

娘のクララ=ヨハンナと息子フランス、2番目の妻エレーヌ=フールマンを描いたルーベンス家族の肖像です。神話画や宗教画などドラマチックな大作とは違いルーベンスの情愛に満ちたやさしさがあります。頭部以外は未完でありそのせいもあってその印象は一層強いのかもしれません。

構図はラファエロの「小椅子の聖母」↓から着想を得たといわれています。

 

 

ルーベンスの代表作⑭ 「パリスの審判」

145×194㎝  1632~35年ごろ ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

ギリシャ神話の一場面『パリスの審判』です。ルーベンスはこの主題を何度か描いていてその内の一枚です。

柔らかな光の牧歌的な風景の中、金のリンゴに魅せられて名乗りをあげた3人の女神。

その中で「一番美しいのは誰か?」という問いをトロイアの王子パリス(金のリンゴを持っている)が判定する場面です。

左正面を向いているのが知恵の神ミネルヴァ、真ん中が愛と美の女神ヴィーナス、右で背中を向けているのが最高位の女神ユノ。3人が放漫な肉体美で自分を選ばせようとパリスを誘惑しています。

彼女たちを示す『アトリビュート(持物)』としてユノはクジャク、ヴィーナスにはキューピッド、ミネルヴァにはメドゥーサの首が付いた盾がそれぞれ描き込まれています。

結果、パリスはヴィーナスを一位に選びますが、その結果戦乱が起こり、トロイアはギリシャ連合軍に攻め滅ぼされてしまいます。

 

ルーベンスの代表作⑮ 「虹のある風景」

86×130㎝ 1632~35年 エルミタージュ美術館蔵

ルーベンス晩年の作品です。ルーベンスは晩年、外交官などの公の仕事を辞退した後、風景画に傾倒します。

広々とした田園風景に嵐の後を思わせる虹がかかり、農婦や牛や鳥などが小さく描き込まれ、平和で牧歌的な風景です。

しかしこの絵の解釈については実際の風景をもとに描かれたのか、神話や聖書などに題材を得たのかは判別せず、虹がうつろいやすい日常の幸せの儚さを象徴しているという説もあります。

 

ルーベンスの代表作⑯ 「ヴィーナスの祝祭」

217×350㎝ 1630~40年ごろ ウィーン美術史美術館蔵

横3メートルを超す大画面に、愛の女神ヴィーナスの像を中心としてキュイーピッドやニンフ、半獣半人の神、女性たちが暴飲乱舞の宴を開いている場面です。

画面全体が柔らかな光に包まれていてまるで天国のような情景です。

ルーベンスはこの作品で生命の賛歌を歌い上げ、あからさまに官能的な喜びを前面に押し出しています。

この作品もまたヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノを研究し、自分のものとした成果が伺えます。左端の女性はルーベンス2番目の妻エレーヌ=フールマンだといわれています。

 

【この他のルーベンスに関するお勧め記事】

・『王の画家にして画家の王』と呼ばれた巨匠ルーベンスを解説します。

・『バロック最大の巨匠』ルーベンスの生涯を詳しくご紹介します。

・『バロックの神髄!』ルーベンスの代表作を解説します①

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